マテリアルに息を吹き込むLumionのディスプレイスメントマップ活用方法

Lumionのディスプレイスメントマップとはどのような機能なのでしょうか?私たちの生活圏には壁紙やカーペット、歩道のタイルなど凹凸があるものが数多くあります。細かなディティールからダイナミックな表現まで、マテリアルの表情を自在に操れる、Lumionのディスプレイスメントマップについてご紹介いたします。

石畳から砂浜まで、あらゆる凹凸を表現するLumionのディスプレイスメントマップとは?

石畳というとヨーロッパの街並みをイメージしますが、東京でいえば、銀座の丸の内仲通りや神楽坂、日本国内だと沖縄や京都などでも石畳をよく見かけます。最近では、個人住宅のお庭や外壁、玄関などに石畳風の施工をすることも多く、商業施設などでもおしゃれな外観が人気で、数多く取り入れられています。

独特のランダムな凹凸が特徴的な石畳。Lumionのディスプレイスメントマップを使用すれば、複雑なディティールも簡単に設定ができます。石畳だけではなく、砂浜や木材の表面、カーペットから芝生まで、凹凸を付けたいマテリアルのディティールがリアルに表現できます。

写真と見間違えるほど、リアルな表現ができるLumion。ディスプレイスメントマップを活用し、思い通りの凹凸を作成してみましょう。

Lumionで凹凸を表現。ディスプレイスメントマップの設定方法

冒頭でもお話をしたように、外壁や床、その他マテリアルの表情を豊かにするために、凹凸は欠かせません。この章では、マテリアルをLumionに取り込む方法からディスプレイスメントマップの設定方法までをご紹介します。

Lumionにイメージを取り込む 見ているだけでも楽しいマテリアル探し

まずは凹凸を付けるマテリアルを選びます。ブログ、「Lumion内でテクスチャの大きさをリアルに再現 マップスケールの設定方法」でもご紹介をした「ambientcg」からマテリアルを選びました。

Lumionにイメージを取り込む 見ているだけでも楽しいマテリアル探し

ambientcgを開き「資産」を選んで「パターン」をクリックすると、数多くのマテリアルが表示されます。ディスプレイスメントマップで、凹凸を分かりやすく表現できそうなマテリアルを選んでみました。

   

Lumionにイメージを取り込む 見ているだけでも楽しいマテリアル探し

ダウンロードするサイズは、2K_JPGを選択しました。ダウンロードのサイズは、お手持ちのパソコンスペックに応じて変更していただけたらと思います。これでダウンロードができました。ダウンロードをしたマテリアルをLumionに配置し、ディスプレイスメントマップで凹凸を付けてみましょう。

  

Lumionでディスプレイスメントマップを設定する方法

   

Lumionでディスプレイスメントマップを設定する方法

Lumionのモデルを開き、マテリアルを設置する場所を選択します。図のモデルの場合、すでにマテリアルが設定されているため、モデル内で設置されているマテリアルが表示されます。

すでに設置されているマテリアルから、ダウンロードをしたマテリアルに変更します。マテリアルが何も設置されていない場合は、ダウンロードをしたマテリアルを設定していきます。

  

まず、「カラーマップ」を変更します。ダウンロードしたファイルが展開されるので、メインになる柄を選択し、一番上の枠「カラーマップ」に設定します。

  

次に、中央の枠「ノーマルマップ」を変更します。青紫色の画像を選択しましょう。ノーマルマップは基本的な凹凸が表現できるものです。ノーマルマップだけでは、凹凸の調整はできません。

  

最後に、最下部の枠「ディスプレイスメントマップ」を変更します。少し分かりにくいのですが、画像の名前に「Displacement」と書いてあるので、そちらを選択してください。これで、凹凸のディティールが自由に表現できるようになります。

  

Lumionでディスプレイスメントマップを設定する方法

全てを設定したら、「マテリアルを読み込む」をクリックし、Lumion内にインポートします。インポート後、選択した部分が設定したマテリアルに変更されました。

Lumionにマテリアルをインポートしたため、マテリアルの名称が「Custom amdientcg 敷石065」に変更されています。では、さっそくディスプレイメントの数値を変更し、敷石の高さを変更してみましょう。

  

Lumionでディスプレイスメントマップを設定する方法
Lumionでディスプレイスメントマップを設定する方法

ディスプレイメントの数値を変えると、どれくらい変化するのか試してみました。上の画像がインポートしたままの状態、ディスプレイメントの数値は「0.00」の見え方です。下の画像が、最大値「1.00」の見え方です。歩きやすい整備された歩道から、足ツボマッサージに効果がありそうな歩道に変化しました。

この足ツボマッサージに効果がありそうな歩道を見ると、ディスプレイメントの最大値、「1.00」はどのように使えばいいの?と思いますよね。最大値「1.00」(もしくは、最大値に近いもの)は、使い方によって素晴らしい効果が得られるのです。

例えば、砂浜の上にある建物のモデル図を作成したとき、建物と砂浜の境界線が見えていたら、リアリティに欠けてしまいます。そのようなときに、ディスプレイメントの数値を大きくすると、砂浜のマテリアルが境界線を自然に隠し、違和感のないリアルな表現ができます。

他にも芝生やカーペットなどマテリアルの高さを変えることで、単純にマテリアルそのものを表現するだけでなく、別のマテリアルやアイテムと調和させたり、ディティールのリアリティを追求したりできるのです。

思い通りのディティールが具現化できるLumionのディスプレイスメントマップ

レンダリング後の画像がこちらです。ディスプレイメントの数値は「0.30」に設定してあります。

思い通りのディティールが具現化できるLumionのディスプレイスメントマップ

  

ディスプレイスメントマップを使うと、凹凸だけではなく凹凸に影がつき、本来マテリアルが持つ、細かなディティールが表現できます。Lumionのディスプレイスメントマップをうまく活用し、仮想空間という思考の壁をクリアする、自由な創造の世界を具現化していただけたらと思います。

この記事を書いた人

BRINGROWブログ部
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CAD技術者を育成する会社BRINGROWブログ作成チーム「BRINGROWブログ部」です。Lumionの講師をはじめCADやBIMのプロフェッショナルメンバーで構成。
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