リアルなインテリアシーンをレンダリングする方法

平坦な空間を「生命感のある室内表現」へ変える7つの簡単なポイント

インテリアデザインにおいて、照明は空間の印象や雰囲気、そして機能性を大きく左右する重要な要素です。この点は、3Dビジュアライゼーションにおいても例外ではありません。3Dシーンのライティングを適切に設定することは、完成度の高い表現を実現するために欠かせません。

インテリアレンダリングにおける照明調整は、単にリアルさを高めるためだけの作業ではありません。空間のムードを演出し、感情に訴えかけ、反射や影を正確に描写することで、奥行きや立体感を与える役割も担っています。

しかし、こうしたライティング表現は、これまで簡単に実現できるものではありませんでした。複数のエフェクトを組み合わせ、それぞれのパラメータを細かく調整する必要があったからです。

そこで登場したのが Lumion 2023 です。
新たに搭載された レイトレーシングエフェクト が、インテリア表現の常識を大きく変えました。ここからは、その具体的なポイントを詳しく見ていきましょう。

手間なく実現するリアルな表現

最新バージョンのLumionでは、レイトレーシングエフェクトにより、インテリアレンダリングにおけるリアルなライティング表現がこれまで以上に簡単になりました。

チュートリアル動画では、レイトレーシングをどのように活用できるかを確認できます。以下では、Lumionに搭載されたさまざまなライティング機能を使い、リアルなインテリアを表現する 7つの方法 を紹介します。

1. レイトレーシングをオンにする

レイトレーシングは、現実世界の光の挙動を自動的にシミュレーションします。太陽光は自然に壁や床に反射し、光沢のある素材には正確な反射が現れ、影も現実と同じ位置に落ちます。

インテリアシーンでこれを実現する方法はとてもシンプルです。
レイトレーシングエフェクトをオンにするだけです。それ以上の複雑な設定は必要ありません。

2. 反射の中の反射まで表現する

レイトレーシングを使うことで、反射表現はよりリアルになり、しかも簡単に作成できるようになりました。従来のようにリフレクションプレーンの設定に悩まされる必要はありません。

たとえば、鏡を作成する場合でも手順は非常にシンプルです。
標準マテリアルを割り当て、メタルネスを高く設定し、ラフネスを下げてからレイトレーシングを有効にするだけで完成します。さらに、反射の中に映り込む反射 まで正確に表現できる点も大きな特徴です。

3. 自然光で空間のムードを演出する

インテリアシーンの雰囲気づくりは、サンエフェクトを使えば簡単に行えます。

落ち着いた静かな空間を表現したい場合は、太陽光の明るさを抑えることで、彩度を抑えたクールで柔らかなライティングが実現できます。一方で、より暖かく、明るく、居心地の良い空間にしたい場合は、太陽の明るさを上げるだけで印象が大きく変わります。

4. スタイルを活用して光のバランスを整える

インテリアレンダリングにおける光のバランス調整には、プリセットスタイルを活用する方法もあります。これらのスタイルは、異なるムードや時間帯を手軽に表現するための有効な手段です。

昼間、夜明け、インテリア向け、曇天などのスタイルを選択することで、シーン全体の雰囲気を瞬時に切り替え、自分のデザインに最適な表現を見つけることができます。

5. 空の明るさを調整して光を微調整する

インテリアシーンのライティングは、スカイエフェクトまたはリアルスカイエフェクトで「空の明るさ」を調整することで、さらに細かくコントロール可能です。

空の明るさを上げると、スカイマップから放たれる光量が増え、より豊かで滑らかな陰影表現が可能になります。この設定は、シーン全体の自然光の印象を大きく左右します。

また、これらの調整は人工照明の見え方にも影響すると言えるでしょう。太陽光や空からの光が少ないほど、室内の人工照明はより明るく、強調されて見えるようになります。

6. 人工照明をより正確にコントロールする

レイトレーシングの導入により、人工照明のリアルさも大きく向上しました。

スポットライトやオムニライトは ルーメン(lm)、発光マテリアルは ニト(nits) といった、現実世界と同じ測定単位を使用するようになっています。これは、インテリアデザイナーや設計者にとって大きなメリットと言えるでしょう。

Lumionの照明は、現実の光の振る舞いをより忠実に再現するため、実在する照明器具の数値をもとに、より精度の高い調整が可能になります。光量の数値やケルビン値による色温度を確認しながら、実際の照明製品に近い設定で空間を演出できます。

7. 発光マテリアルで表現の幅を広げる

エリアライトや発光マテリアルは、レイトレーシングによって影を落とすようになりました。これにより、LEDストリップやパネル、スクリーンなどを使った、モダンでダイナミックなデザイン表現がしやすくなっています。

また、レイトレーシングではスクリーンスペースエフェクトが使われないため、カメラに正面を向いていない発光マテリアルでも、きちんと光を放ちます。その結果、マテリアルだけを使った印象的な間接照明表現も、簡単に実現可能です。

デザインの意図を、もっと自由に、もっと正確に伝える— Lumion 2025で広がる表現力

インテリアデザインのビジュアライゼーションにおいて、本来注ぐべきなのはレンダリング作業そのものではなく、空間の設計意図や魅力を伝えるクリエイティブな時間です。

最新バージョンのLumion 2025では、光の再現性とマテリアル表現がさらに進化し、よりリアルで説得力のあるビジュアルづくりが可能になりました。複雑な設定に時間を割かずとも、空間が持つ質感や雰囲気を直感的かつスピーディに共有できます。

設計意図が伝わるビジュアライゼーションを、これまで以上に自然なワークフローで。
Lumion 2025が、デザインとコミュニケーションの質を一段引き上げます。

レイトレーシングの仕組みや使い方についてさらに詳しく知りたい方は、Lumion公式サイトをご覧ください。Lumionを初めて使用する方は、14日間の無料トライアル で最新バージョンを体験することもできます。

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