Lumion 2024へ向けて – 開発プレビュー: レイ トレーシング用NRD

  • 2024年3月11日

NRD for Lumion​

　

Lumion 2024は、新しいノイズ除去技術、特にNVIDIAのリアルタイムデノイザー（NRD）であるReLAXとReBLURを統合することで、建築ビジュアライゼーションに対応する大幅な改善を進めています。これらのノイズ除去機能により、Lumionの高品質プレビューおよびムービーモード出力におけるレンダリングプロセスの品質と効率が大幅に向上します。

　

　

1.テンポラルデノイジング

　

テンポラルデノイジング（時間的ノイズ除去）とは、画像処理やコンピュータグラフィックスにおいて、特にレイトレーシングやその他の集中的なレンダリング手法によって生成された一連の画像やフレームのノイズを低減するために使用される手法です。
この手法では、動画や一連の画像の連続するフレーム間の時間的な一貫性を利用します。
つまり、連続するフレームは、シーンの内容やカメラの位置がわずかに変化するだけで、互いに類似していると仮定します。

テンポラルデノイジングの主な用途は、リアルなライティングと影が不可欠なビデオゲーム、映画、建築ビジュアライゼーションにおける高品質グラフィックスのレンダリングです。
このような状況では、レイトレーシングは光の物理的挙動をシミュレートすることで非常にリアルな画像を生成しますが、特に計算リソースが限られていたり、光線の量が少ない条件下では、ノイズが発生することがよくあります。
テンポラルデノイジングは、連続するフレーム間の差異と類似性を分析することにより、重要なディテールやテクスチャを保持しながらノイズを予測し除去することで、このノイズを軽減します。その結果、視覚的忠実度が向上し、より滑らかできれいな画像やアニメーションが得られます。
さらに、テンポラルデノイジングは、高いフレームレートを維持することがユーザーエクスペリエンスにとって重要である、バーチャルリアリティや拡張現実などのリアルタイムアプリケーションにおいて有益です。
フレーム間のノイズを効率的に低減することで、テンポラルデノイジングは画質と計算のバランスを維持するのに役立ちます。

　

Lumionでは、この原則を適用すると次のようになります：

　

NRDは、画像を理解するために必要な一連の入力（面の方向、カメラからの距離、色、金属特性など）を受け取ります。その結果は出力画像に合成され、後に露出とシェーディングの調整によって改善されます。

　

　

2.NRDの技術

　

このノイズ除去方法には主に2つの考え方があります。

2.1：ReLAX
SVGF (時空間分散ガイドフィルタリング) の一種として開発されたReLAXは、NVIDIA RTX Direct Illumination (RTXDI)によって生成されるレイトレースされた鏡面反射および拡散信号のノイズ除去に最適化されています。
このノイズ除去装置は、複雑なライティングのディテールを保持するのに特に効果的で、動的なライティングの条件下でも一時的な安定性が向上します。さらに、ReLAXはベースラインのSVGFを性能面で上回り、50％の速度向上を誇っています。

2.2: ReBLUR
もう一つのNVIDIAリアルタイムデノイザーで、レイトレーシングによって生成される様々なタイプの信号をノイズ除去するように設計されています。これは、自己安定化、反復ブラー手法を採用し、低い光線量からの拡散および鏡面信号の処理に非常に適しています。
ReBLURの機能はチェッカーボードレンダリングのサポートにまで及び、ピクセルあたりの光線が制限されたシナリオでも高品質な結果を保証します。

　

　

これらのテクノロジーは、Lumionのレンダリング機能において重要な役割を果たします。

　

  • 高画質プレビュー：高画質プレビューにNRD ReLAXまたはReBLURを統合することで、ユーザーは、ノノイズが大幅に削減され、鮮明度が向上し、より正確な最終出力をリアルタイムで確認できるようになりました。
    この機能は、ライティング、マテリアル、全体的なデザインの美しさを決定するためにプレビューを利用するユーザーにとって非常に重要です。
  • ムービー出力ノイズ除去： ムービーモードでは、このノイズ除去機能により、ノイズやアーティファクトを最小限に抑え、最終的なレンダリングされたビデオの品質を向上させます。これは、ダイナミックなライティング、反射、影を含む複雑なシーンをレンダリングする場合に特に重要です。
    また、効率的なノイズ除去処理は、プロのワークフローにおいて重要な要素であるレンダリング時間の短縮を意味します。


現在、Lumionの開発者は、2つの方法と、どちらが最良の結果をもたらすかについて研究しています。下のビデオでは、ReBLURが暗い領域でよりリアルな結果をもたらすのに対し、ReLAXは反射面でより効果的であることが明らかです。

　

　

これらの手法の主な利点は次の通りです：

  • レイトレーシングをオンにして編集すると、Lumionプレビューでノイズが減少します。

そして

  • レンダリング品質を維持したまま、レンダリング時間を短縮します。

　

　

Lumionの現在の開発バージョンでは、最終的な結果は印象的です。NRDは、OIDN2と同じ品質をフレームあたりで得ることはできませんが、16サンプル、6バウンス、4つ星、1080p、30FPSの6秒クリップ（垂直パン – サンプルプロジェクトのインテリア）は、6分未満でレンダリングされます。

　

　

Lumion 23.4.3（上記と同じ設定）では、レンダリング時間が2.6倍近く投影されます。

　

　

重要：この結果は、必ずしも拡張可能（採用）ではありません。Lumion 2024はまだ開発中であり、レンダリング時間はプロジェクトの複雑さ、設定、状況によって異なります。正確な数値を明確に伝えるには時期尚早であり、この情報はあくまで指標であり、確定的なものではありません。ある状況では、スピードが劇的に向上しましたが、他の状況では、測定可能な差はほとんどありませんでした。

　

　

要約すると、LumionのNRD ReLAXとReBLURの統合は、Lumion内部のRTレンダリング技術の改善における大きな飛躍を意味し、建築家やデザイナーに、ノイズを低減し、リアリズムを強化した高品質のビジュアライゼーションを作成するための強力なツールを提供します。
この統合は、建築視覚化プロセスを合理化し、向上させる最先端のツールを提供するというLumionの取り組みを強調しています。

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