概要応募作品詳細

NO.28

Rêve~紡ぎの方(ハコ)~

コンセプト

私たちはル・コルビュジエが建築に託した社会や人々の暮らしへの想いと前川國男のモダニズムと和の融合されたデザインを次世代へと継承しながら日仏の友好のシンボルとなるモバイルアーキテクチャーを考えた。第二次世界大戦で行き場をなくした人々の拠り所となったアジールフロッタンのためにパリの美しい街並みを切り取る大きな窓のような建築はつくれないだろうか。それは同時に建築の付属品として考えられる建具を、建築にまで昇華できないかというチャレンジでもあった。前川自邸にもみられる障子を建築化し、簡単な開閉や取り外しによって空間が動き、景色と人々も動き出す。その景色は、日本の寺院で見られるある種の借景のようにいつもと違ったパリを映し出し、時には同じ時代を生きる人々の生活を温かく浮かび上がらせてくれる。刻々と移ろいゆく時の中で日々の暮らしの美しさや尊さをそして再び蘇るアジールのこれからを願い本作品を提案する。

チーム「私をパリに連れてって」

  • 田籠 由樹 麻生建築&デザイン専門学校
  • 熊野翔太 麻生建築&デザイン専門学校
  • 古藤 日和 麻生建築&デザイン専門学校
  • 薬師寺航 麻生建築&デザイン専門学校
PCスペック
  • CPU:ZEON Silver4216
  • GPU:QUADRO RTX 5000
  • メモリ:64GB
レンダリング時間 8時間

総評コメント

ひとつひとつのショットの作り方については、ちゃんと意図も感じられますしカメラワークも急ぎすぎることなく見やすく収めていて、そこは比較的しっかり良質な映像になっていると思います。ただ、それらのショットの並べ方、全体の構成があまり視聴者に対して親切でないことで、作品としては大分伝わりづらいものになってしまっていて勿体無い印象です。今回の課題に対しては、余程ディテールの部分に特徴があってそれを最初に打ち出したいというケースで無い限りは基本に忠実に「①全体像(アジールフロッタンとの位置関係含め)→②組み立て手順→③ディテール→④インテリア→⑤何らかのエンディング的ショット」という順番が適切だと思いますが、本作ではまず③ディテールから入り、その後にインテリアだったり少し広めの画だったりをあまり秩序なく並べている感じで、それらのディテールに通底したテーマを理解出来ないまま進むのが見る側にとってはフラストレーションになっていきます。また、新しい建築物も船を形取ったデザインであるというユニークさがあるにも関わらずそれがあまり打ち出されておらず、且つその全体像が見えるのも後半になっているのが勿体ないと感じます。一度ぜひ、視聴者目線に立った素直で基本に忠実な順番に編集し直してみられてはと思います。