概要審査員・評価基準

審査員

審査員長のメッセージ

アジール・フロッタン、浮かぶ避難船。
1929年にル・コルビジエによってリノベーションされました。
およそ100年ほど難民収容船として使われましたが、2018年セーヌ川の増水によって沈んでしまいました。
そして昨年10月に再びセーヌ川の水面に浮上することができました。

このアジール・フロッタンの岸辺が今回のコンペの敷地になります。
この敷地に、モバイルアーキテクチャー、動く建築・拡張する建築を考えてもらいたい。
自然災害やコロナ禍、様々な脅威に直面する我々が今後どのように生きていくのか?人と交流するのか?そのためにどのような建築が考えられるか?この日本の状況も踏まえながら、パリのセーヌ川の敷地に新しいモバイルアーキテクチャーを提案してください。

皆さまの新しい新鮮なアイデアを期待して待っています。

審査委員長 遠藤 秀平 1960年滋賀県生まれ。1986年京都市立芸術大学大学院修了。1988年遠藤秀平建築研究所設立。2004年ザルツブルグサマーアカデミー教授。2007年~神戸大学大学院教授。主な受賞暦:1993年アンドレア・パラディオ国際建築賞、2000年第7回ヴェネツィアビエンナーレサードミレニアムコンペ金獅子賞、2003年芸術選奨文部科学大臣新人賞、2004年第9回ヴェネツィアビエンナーレ金獅子特別賞、2012年日本建築家協会賞、2015年公共建築賞、2016年日本建築学会教育賞。

以下、順不同

審査員 豊田 啓介 1972年、千葉県出身。1996~2000年、安藤忠雄建築研究所。2002~2006年、SHoP Architects(ニューヨーク)を経て、2007年より東京と台北をベースにnoiz を蔡佳萱と設立、2016年に酒井康介が加わる。2020年、ワルシャワ(ヨーロッパ)事務所設立。2017年、「建築・都市×テック×ビジネス」がテーマの域横断型プラットフォームgluonを金田充弘と共同で設立。2025年大阪・関西国際博覧会 誘致会場計画アドバイザー(2017年~2018年)。建築情報学会副会長(2020年~)。大阪コモングラウンド・リビングラボ(2020年)。2021年より東京大学生産技術研究所特任教授。
審査員 竹口 健太郎 1971年京都府生まれ。1998年京都大学大学院修了。1998年アルファヴィル設立。1995年AAスクール留学し、FOAのもと、パラメトリックデザインを経験する。現在、神戸大学客員教授、日本建築設計学会副会長
主な受賞:Daylight Spaces Award 2014 winner (オーストリア) Design for Asia award 金賞(香港) 大阪建築コンクール渡辺節賞 日本建築設計学会作品賞等国内外で受賞
審査員 吉田 哲 大阪大学卒業後、同大学院修士課程笹田研修了。1991年日建設計入社。コンピュータを用いた3次元設計を入社以来25年間推進し、社内ICTシステムの構築なども手掛ける。主な作品は、国立国際医療・研究センター病院、国立感染症研究所村山3号棟、信楽園病院、富士吉田市立病院など。参画したコンペ・プロポーザルは200以上。
審査員 栗村 実 茨城県出身。国際基督教大学言語学科を卒業後、Columbia College Hollywood(ロサンゼルス)映画学科を修了。Kurosawa Enterprises USAにてコーディネーターとして勤務。2013年には「桜、ふたたびの加奈子」(新津きよみ原作、広末涼子、稲垣吾郎主演)が全国公開、台湾金馬映画祭にも正式招待を受けた。

評価基準

建築
デザイン性

  • 容易な建設・解体・移設再利用・変形・可能なシステム性
  • 形の根拠、アルゴリズムを表現
  • 建設資材の合理性(ゴミや無駄をなくす、ローエミッション)
  • 解体/移設の簡易性
  • 耐久性をもつことでのサステナビリティー
  • 様々な環境(熱帯/極寒/多雨など)への適応性

映像
クリエーション性

  • ムービー単体が映像作品として成立しているか
  • テーマの明確性
  • 映像の「ストーリー性」や「興味・関心・共感」など感情に訴えるもの
  • 建設・解体・移設・変形・可能なシステム性が動画として表現されているか
  • 演出(構成、撮影、編集)によって解釈の余白をもたせられるか
  • ただし、上記すべてにおいて”情動喚起性”も重要視する。