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NO.24

浮遊する未来の舟 / Futur bateau flottant (フチュール・バトー・フロッタン)

プレゼンボード

コンセプト

集成材の板材に分解可能な構造部材は解体・移転・再構築・拡張を容易にする。部材の曲率を調整するだけで移設したい場所に適応できる形態を作り出す。CLTの間に張り巡らされるダブルスキンの膜はCNFと廃棄布によるアップサイクルのスキンで包み込むことで光を柔らかく透過し揺らぎを与える。地上レベルは水平連続的に開放され異世界の宇宙船に人々はどこからでも自由な行き来を可能とする。自由に発生し消滅し場所を変えながらまたいつでもどこでも発生するこの新しい空間はホームレス・オフィスレスとも言えるデジタルノマドたちなど誰もが平等に自由に使える場所を提供し、個々のスペースから世界中のあらゆる人々や情報と繋がり、様々な分野で今までにない世界を構築していく。新しい時代に敷地という固定化された枠組みはもうない。180度向きを変えた未来の舟がアジール・フロッタンの横に人々に寄り添う空間としてコルビュジェの意思を継承する。

チーム「KOTARO HORIUCHI 株式会社」

  • 堀内 功太郎 KOTARO HORIUCHI 株式会社 Tokyo Office
  • Tomas Teubal KOTARO HORIUCHI S.A. Paris Office
PCスペック cloudalizeを利用
レンダリング時間 2時間

総評コメント

基本としては映像作品を作る上で、しっかりカットを割って「何を見せたいか」を都度明確に示すことが必要だと思いますが、この作品の建築デザインを見せる上ではカメラ移動による1カットで見せてしまうやり方もアリだと思いました。1カットではありますが要所でカメラを止めるなどして「今この瞬間、何を見せようとしているか」が明確ですし、ゆっくり目のカメラワークで動き回ることで、視聴者は自分がその空間にいるような気分になれると思います。音楽を使わず、その空間の雑踏だけを聴かせるという音の使い方もその効果を上げています。一方で、下に長い文字テロップを入れてしまったのは大きな失敗だったと言わざるを得ません。これだけの文字量が入ってしまうと読むだけで手一杯、視線はずっと画面下部に釘付けで、特に建築デザインの要所は画面上部にありますので、初見ではほとんど目に入ってこないまま終わってしまいます。テロップにあるような情報はプレゼンボードや言葉でのプレゼンテーションが担うべきで、ムービーはビジュアルと雰囲気を伝えることに徹した方が良かったと思います。どうしても多めの文字情報を入れたければ文字を読ませることが主眼になっていく割り切りをして画面の真ん中にテロップを入れるというやり方もあります。そうすると文字を読みつつも何となくビジュアルや雰囲気が視界と頭に入ってはくると思います。