応募作品詳細

NO.21

flip steps~めくり広がる舞台

プレゼンボード

コンセプト

今日まで「マンガ」や「ダンス」といった文化は街並みに影響を与え、魅力的な物語を都市に生み出してきた。アルゼンチンタンゴの持つ、人々が集まり出会い連続するステップから生まれる魅力が、街へとあふれ出すように物語の連続性と舞台性をもった建築を設計する。 マンガの作者は、キャラクターの視点と客観的な視点の間で読者のフレームを横断させて、区切られたコマに時間と空間の連続性を作り物語を紡いでいく。マンガ特有の表現手法を用いて、個々の空間をコマに見立て、マンガのようにめくりたくなる続きが気になる空間を構成した。ダンススタジオには多数のコマから視線が集まり、この舞台で繰り広げられる物語はファサードへと浮かび上がる。マンガのように部分と全体をフリップするように空間を演出し、タンゴのステップを踏むような連続性が「タンゴ」と「マンガ」、「アルゼンチン」と「日本」という文化を紡ぐ舞台となり街へとつながっていく。

チーム「株式会社東急設計コンサルタント」

  • 三嶽 祥太 株式会社東急設計コンサルタント
  • 佐々木康生 株式会社東急設計コンサルタント
  • 須藤悦秀 株式会社東急設計コンサルタント
  • ツォン ティ ラン 株式会社東急設計コンサルタント
PCスペック
  • CPU:Intel Core i9-13900H 2.6GHz
  • GPU:NVIDIA RTX 4000 Ada Laptop
  • メモリ:64GB
レンダリング時間 2時間

総評コメント

まずは全体として非常にしっかり基本を踏まえて構成されていて、各パートで何を/どこを見せたいのかが明確な、見やすく伝わりやすいムービーに仕上がっていると感じました。ディテールの作り込みも素晴らしいですし、色味や空気感の調整もとても巧みだと思います。

プレゼンボードもとてもセンスよくポップな装丁で、感服しました。一方でプレゼンボードを見ると漫画のコマ割りやページめくりを意識した視線誘導のあるデザイン、ということをアピールされていらっしゃるものの、そこについてはあまり本ムービー作品で伝わってこなかった印象を持ちました。今回のコンペのテーマを踏まえれば、ムービーの方も思い切ってプレゼンボードのようにポップな雰囲気の演出や構成にしたら更に、この建築デザインの魅力が動画だけでも伝わりやすかったのではという印象を持っております。

例えばではありますが、モチーフが漫画ですからもっと思い切って、なるべくカメラワークを廃して固定の画にし、プレゼンボードの下部でされていらっしゃるように漫画のコマ割りのような画面、いっそ吹き出しなども付けてしまうくらいのつもりで、カットとカットは漫画のコマを移動するようなトランジションにしてしまう、位でも、本作にとっては適切なレベルのインパクト追求だったかも知れないと思います。どうしても動画だと「カメラを動かせば何もかも見せられる!」と思ってしまいがちですが、そうすると逆に「どの部分も強調/アピールできていない」という結果に終わりがちです。動画のエンタテインメントが溢れる今の世の中でも漫画が愛好されている要因のひとつはこの「作者が思い切った取捨選択を遂行して見せたいポイントだけを抽出した、純度の濃い娯楽」であることではないかと私は思っています。(「ドラえもん」などを改めて読むと、コマとコマとの間に物凄い省略があることを感じると思います)この建築のようなコンセプトであればぜひ、そういった思い切りを持った演出のムービーで見てみたいところです。