概要応募作品詳細

コルビュジエが当時の最先端の技術を用いて難民のための空間を設えたように、現代の技術を用いて社会的に弱い立場にある人・多様な人々を包む場所をつくる。現在のセーヌ川岸辺は、川に浮かぶレストランやホテルを利用する人たちと、固定の住居を持たない人たちが僅かな距離を置いて互いに交じり合うことなく存在している。一方で物の過剰が、一方で欠乏が隣合わせにある社会で、物の循環をきっかけとして人と人とが緩やかにつながる。FRPやETFEからなる軽量の部材を人々が思い思いに組み立て、崩していく。完成形もゴールも無く、多くの人の活動が形として立ち現れる。そこでは、循環する物も、食事をしたり音楽を聴いたりする行為も、内部と外部も明確な境界がない。多様なバックグラウンドの人々が混ざりあい、物・空間・時間を分かち合う。