spiral approach
対象建築:ホテル+多目的商業施設
Spiral approach と名付けたこの建築は二重螺旋の空間構造としています。
内部空間と外部空間が絡み合うことで様々な風景の展開を生み出します。
パタレイ監獄を含めた多様な動線を引き込み、そして拡散させるような施設を目指しました。
螺旋を上がるうちに異なるレベルでの風景を見ることができ、パタレイ監獄との新しい関係性を生み出すとともに、都市全域を見渡すことができ街の灯台のようにシンボリックに佇みます。
パタレイ監獄とは、敢えて対比する建築形態とし、繰り返される負の連鎖を断ち切るように、螺旋の最頂部はフィンランド湾に向けられています。
沿岸には、幾何学形態の広場を設けました。曲面が多い既存建築物に対して対比する形態をとっています。過去を見つめ、未来に向けた意思を示すように先端は鋭く海岸から迫り出しています。
中庭部分に設けた屋根は無数の細い柱に支えられるようにガラス屋根を設けています。
パノラマ
機種:thinkpad p1
CPU:インテル Xeon"n E-2176M プロセッサー
メモリ:16 GB
GPU:NVIDIA Quadro P2000
ソフト:revit,rhinoceros
モデル制作時間:2日
データサイズ:300MB
LUMION制作時間:2日
使用エフェクト:real sky
動画レンダリング時間:8時間
静止画レンダリング時間:20秒
|
講評
各ショットで何を見せたいのかという意図を整理し、構成を組み直されたら格段に伝わりやすくなるタイプの作品と感じます。冒頭の海原のみのビジュアルで雰囲気を作るというのは悪くないと思いましたが、「歴史ある旧建築物を踏まえての新建築物デザイン」のプレゼンという意図を体現するためには本当なら次に、今1:06〜に入っている「海〜旧要塞監獄〜新建築物へ」というカメラワークのショットのようなものを入れるのがロジックに叶っているはずです。そこが出来ていれば次に「新建築物の全体像」のショット、更に次に「そのディテール、内部」という順番に組み立てていけば観客が素直に理解出来る流れが出来ると思います。それぞれのショットは格好いいのですが、同じ機能しか果たしていないショットの連続で、特に建築物内部についてはラスト5秒ほどでおまけのように見えるだけなため、ここで繰り広げられるであろう人間の暮らしの様子がほとんどイメージ出来ないまま終わってしまう印象です。加えて、スパイラルというデザインコンセプトを伝えるのに適したカメラワークが、もっとあるように感じました。定石としては、建物の周りを周回するようなカメラワークですね。最後に、本作品だけ解像度が低いようです…ある程度のサイズで見るとドットが荒く、せっかくの映像が勿体ないことになってしまっています。書き出す際には1080p、少なくとも720pで書き出すことをお勧めします。