トップ画像

作品詳細

一覧へ戻る

作品

agora

対象建築:ホテル+多目的商業施設

パタレイを囲む敷地全体が、古代ギリシアのアゴラのように人々が自由に集まり活動する公共空間として生まれ変わる。
要塞、収容所、刑務所として利用されてきた閉鎖的空間であるパタレイに寄り添う空間は開かれた広場のような空間性が望ましい。

海に向かって傾斜する敷地周辺と海岸線の地盤を起伏させ、緩やかにつながる地面を作ることで広場のように人が集まる場所となる。
敷地に掛けたスラブが建築の内外をつくりだし、起伏した地盤から2階のテラスへと居場所が連続していく。
1階にパブリックなコミュニティスペース、2階にはプライベートなホテルを配し、干渉領域となるレストランを中間に計画した。

構造的な合理性を持つグリッドや屋根の形状にも現れる三角形は土地の記憶を継承した新たなランドマークとなる。

原っぱにシートを広げてその日の自分の場所を見つけるピクニックのように、場所が活動を囲わない自由な空間が広がっている。

  • ホテル+多目的商業施設
  • ホテル+多目的商業施設

パノラマ



機種:HP Z-800
CPU:Intel Xeon CPU X5680 @ 3.33GHz 3.33GHz(2プロセッサ)
メモリ:16 GB
GPU:NVIDIA GeForce GTX 1060 6GB
ソフト:3ds max
モデル制作時間:25日
データサイズ:1.1GB
LUMION制作時間:7日
使用エフェクト:レイアの可視性、高度な移動、移動、ビネット、霧、ボリューム雲、手持ちカメラ、ボリューム日光、神光線、レンズフレア
動画レンダリング時間:15時間
静止画レンダリング時間:1分

講評

パタレイ旧要塞監獄の「暗」を演出したビジュアルの冒頭カットから、同じアングルで「明」の演出へとトランジションする演出は、そこで音楽もしっかり暗から明へと切り替わっていることもあってとても効果的、且つ今回のテーマを踏まえ適切な表現だと思いました。そこでしっかりパタレイのイメージを観客に提示した上で、カメラが移動すると新建築物が見えてくるというのも「旧建築物と新建築物の共生の在り方」がキッチリ伝わって秀逸です。それ以降も、落ち着いたカメラワークと最小限のトランジションで見せるべきところを見せていくという基本に忠実なやり方で好感が持てます。ラストでもしっかり、パタレイと新建築物の共存をビジュアルとしてワイドショットで伝えていて、ちゃんとエンディング感があって締まっている感じがします。音楽が中途半端なフェードアウトなのが少しだけ勿体ない印象ではありますが…。そして、全体を通して「パタレイを囲む敷地全体が、古代ギリシアのアゴラのように人々が自由に集まり活動する公共空間として生まれ変わる」という解説文にあるようなコンセプトやテーマは読み取りづらかった印象です。ここで人々が何をするのか、どういう時間を過ごすのかということを伝えるショットが足りていないのかも知れません。「アゴラ」という意味では0:40〜のショット辺りは人々が何か共通の目的を持って集う姿になっているので、このショットはもっとじっくりしたカメラワークで長い秒数かけて描写したかったところかも知れません。