対象建築:ホテル+多目的商業施設
パタレイの監獄として使用されてきた負の歴史、その中でも外との世界を遮断してきた「壁」を引用した建築を計画しました。
パタレイの壁の軸線から引用した複数の壁を配置し、そこにホテルや商業の機能を持たせた箱を貫入させます。
壁と箱の組み合わせは外部、半外部、内部空間を創りだし、光と影、閉鎖性と開放性がある様々な空間や活動を生み出します。
東西軸は壁を横断する構成となっており、過去の歴史の展示や壁を横断することで負の歴史を打ち破ってきたことを表現し
南北軸は壁に沿いながら街や空等遠くをまっすぐ見通せる構成となっており、現在や未来に思いを馳せる空間となっております。
二つ軸を組み合わせながら建物を回遊することでショッピングやステイを楽しみながらもふとした時に過去の歴史を思い出させ、現在や未来に思いを馳せるきっかけを与えることで過去から未来を繋げる建築としました。
講評
ムービーを作る本来の姿勢である「伝えたいコンセプトを確実に伝える演出をする」というものがしっかりキープされている、伝わりやすい作品だと感じます。冒頭のカットでも0:23〜のカットでも「旧要塞監獄→新しい建築物へ」のカメラ移動をされていますが、これが本来、今回のお題に対する答えを表現するための一番の基本だと私は思っています。(そしてこれをやっていない作品が大多数でした)0:13〜の構造解説的なショット、説明的ではありますが有効だと思います。各カットにもそれなりの秒数を割いてカメラ移動も忙しすぎない範囲に収まっていて比較的、見やすいと思います。ただ、もう2カット位減らして、別な部分をもっと見せた方が効果的だったかも知れないと思う部分はありました。特に、冒頭のパタレイ→新建築へのパンの部分ですが、後ろで新建築のビジュアルをもっと長い秒数しっかり見たかったというのは強く感じます。小道具・美術という点では、壁に掛けられた写真が結構、生きていたと感じました。