Sinine taevas (青い空) ~ Bridge over ERA~
対象建築:ホテル+多目的商業施設
今春、タリン旧市街を訪れた。最も印象に残ったのはその青い空の美しさ。澄んだ空気。
中世の面影を今に伝える街並みや美しい海と自然。そして占領時代の面影を残す巨大な建造物群。
過去の暗い時代にも今の時代も変わらないもの。この地の青い空と澄んだ空気は何物にも代えがたい宝物である。建築に伴うパタレイ周辺の風景の破壊を最小限にとどめ、その代償として青い空を享受できる施設を計画した。世界最先端の電子化に向かうこの国で、施設の役割は今後大きく変わっていくことを想定し、おおらかな構成としている。大空を自由に飛び回る鳥は自由の象徴であり、変わらない空から眺めた風景を感じ取れる場。美しく青く澄んだ空とバルト海の海に臨みつつ歴史を振り返れる場を”負の遺産”共有への架け橋と考えた。ホテルと監獄は似た構成を成す。空からの眺めはパノプティコンではなくカモメがエストニアの大地からが大空へと飛翔する様をイメージしている。
パノラマ
機種:LEVEL Infinity
CPU:Intel(R)Core(TM)i7-8700K CPU @3.70GHz
メモリ:32.0GB
GPU:GeForce GTX1080 8GB GDDR5X
ソフト:Dracad Ver.17, Sketchup 2018
モデル制作時間:20時間程度
データサイズ:213MB
LUMION制作時間:6日
使用エフェクト:移動、集団移動、リアルスカイ、照明他
動画レンダリング時間:3.5時間
静止画レンダリング時間:10秒/枚
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講評
ワイプで繋ぎつつ見せたいポイントをひとつひとつ見せていく形や、音楽、効果音などの使い方も、「紹介ムービー」という意味では基本に忠実な作りで機能は果たしていると思います。しかし、「青い空を享受できる施設」というテーマの訴求という意味ではもっといろいろな工夫や、意図のはっきりしたショットが必要だと感じました。解説を読ませて頂いた後にオープニングショットを見ると、そこにトライしていることは分かるには分かるのですが、ここはもっとはっきり空抜けを意図しているのが分かる構図にしたいところです。また、ここで画面下部にタイトルテロップが入ってしまっているのでそちらに目が行って空の方に視線が誘導されず、結果としてこのショットの意図が非常に伝わりづらくなっています。伝わりやすい空抜けにした上で、空のある上方にテロップが入るほうが良いかと思います。0:35からのショットなども、せっかく印象的な天窓なのでそれだけをフィーチャーしたショットがひとつあったら良いのではと感じました。また、全体的にカメラの移動が速すぎて、見せたいポイントが伝わりづらく、また雰囲気も損ねている気がします。厳選してカット数を減らし、じっくり見せる姿勢が必要かと思います。