波紋
対象建築:ホテル+多目的商業施設
エストニアには、長い侵略の歴史があり、パタレイ要塞監獄はその負の歴史を象徴する建造物です。周辺には海洋博物館やリンナハル、ユダヤ人迫害の慰霊碑等、歴史を象徴する建造物が残されています。
私たちは、それらの負の遺産から広がる波紋が、明るい未来へと伝わっていく、自由と多様性を持った国の新たな象徴となる建築を提案します。
用途として、宿泊施設の他に、カフェやコワークスペース、マルシェや図書館といった複合的な商業施設があり、2重らせんの構成によって、宿泊と商業のエリアの動線や視線が絡まりながらも分離されています。
建物全体がステップで構成され、好きなところで座ってお茶をしたり、本棚になっていたり、シアターの観覧席になったりと、多様な活動が展開されます。
そこには、負の歴史とは対照的な、新しい時代にふさわしい、訪れる人々が人種や年齢の垣根を越えて交流が生まれる多様性にあふれた空間となっています。
パノラマ
機種:HP Z2 TowerG4 Workstation
CPU:Xeon""n E 2174G 3.8GHz
メモリ:16GB
GPU:Quadro P2000 5GB GDDR5
ソフト:Revit
モデル制作時間:2週間
データサイズ:2.1GB
LUMION制作時間:3週間
使用エフェクト:太陽・シャドウ・反射・ムーン・スカイライト・ハイパーライト・2点透視・被写界深度・レンズフレア・高度な移動・空と雲・雪・色補正・ブリーチ・神光線
動画レンダリング時間:40時間
静止画レンダリング時間:5分
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講評
今回、パタレイ旧要塞監獄と新しい建築物の関係性を表現することが重要な課題であるにも関わらずそれが出来ていないムービー作品が多い中、本作品はそこを丁寧に提示しようとしていることが感じられて好感度が高いです。また「波紋」をモチーフにするということがオープニングでしっかりと提示されているので、見る方として本ムービーをどういうコンセプトに沿って見ていくべきなのかを頭に入れた上で見られるのもポイントが高いですね。旧要塞監獄が濡れた路面に映っているショットというのも、雰囲気あって良いと思います。また、1:10〜の、新しい建築物からパタレイがどういう風に見えるのか、という表現は今回のお題に対してとても大事だと思います。(それが出来ている作品がほとんどありませんでした)このショットにカップルと子供が配置されている演出も、この場でどんな人間模様や生活が展開されるのかを感じさせて良いと思います。どちらかというと、実はこのショットをエンディングにした方が良かったのかもと感じました。カット数、恐らく取捨選択して絞り込もうとされたのだろうということは感じますが、もっと絞り込んでカットを少なくして、カメラ移動があと二声くらいゆっくりだと更に良かったかなと思いました。