LOOTUSE SEINA
対象建築:ホテル+多目的商業施設
パタレイは占領や束縛の歴史を背負い、負の遺産としてその地に建ち続けてきた。
パタレイを人の活動と共存させるための建築を提案する。
パタレイの辿った歴史のうち、人々を隔ててきた”壁”という要素を再解釈し建築化する。ホテル、マーケット、それらの動線となる空間”ガラスコリドー”の3つの機能を3枚の壁として立ち上げ、パタレイに対してレイヤーをなし、広がる海への軸を持つよう配置した。
ガラスコリドーを歩くと、ホテルとマーケットを挟んでパタレイが見える。日射に輝くガラス、マーケットに並ぶ商品、買い物客から溢れる活気、ホテル共用部に滲み出るくつろぎ。奥に見えるパタレイに様々な人の活動が重ね合わされ、見る時間・場所とともに変化する多様なビューが生まれる。
Lootuse seinaはエストニア語で“希望の壁”。3枚の壁に溢れる人々の活動はパタレイと溶け合う。人々とパタレイにとっての希望の建築である。
パノラマ
機種:HP Z2 TowerG4 Workstation
CPU:Xeon"n E 2174G 3.8GHz
メモリ:16GB
GPU:Quadro P2000 5GB GDDR5
ソフト:Revit
モデル制作時間:14日間
データサイズ:298MB
LUMION制作時間:10日間
使用エフェクト:太陽、シャドー、反射、スカイライト、ハイパーライト、手持ちカメラ、感光度、二点透視、集団移動、高度な移動、移動、空と雲、風、色補正、フェードイン/アウト、光拡散、タイトル、神光線
動画レンダリング時間:15時間
静止画レンダリング時間:180秒
|
講評
今回のテーマに対しては特に、パタレイ旧監獄要塞と新しい建築物の位置関係をしっかり観客に対して提示することがかなり重要だと思いますが、本作も含めみなさんそこがあまり上手く出来ていない印象です。 本作品で言えば、0:08の辺りでまず旧監獄要塞のビジュアルが提示されますが、そのカットと次の0:12のカットの位置的、テーマ的な関係性が非常に伝わりづらい繋ぎ方になってしまっています。一応、良く見れば奥に旧監獄要塞の一部があるのですが、そこに目が行く繋ぎ方、構図の取り方になっていないので、私も四度目位に見て初めて「あ、一応奥にあるのか…」と認識した位です。その後、1:16〜以降では割と旧要塞監獄との位置的な関係性が伝わってくるショットがあるのですが、もっと頭でそれを打ち出しておかないと、観客的にはテーマやコンセプトが伝わらないままただ建築デザインのパーツパーツを見せられることになってしまい、勿体ないかと思います。1:20〜のオブザベーションデッキからのショットなどは新建築と旧要塞の関係性を示すのにとても適したカットだと思うので、本当ならばもっと「デッキから旧監獄要塞を眺めている」という構図にすると効果的ではないかと感じました。良かった点としては、天候や光の使い方、デザインの良さを引き立てる構図の取り方などにはセンスのあるものを感じました。カメラワークについては少しカメラを動かしすぎ、移動のスピードが速すぎるように思います。