The sun reflection
対象建築:ホテル+多目的商業施設
過去と未来を繋ぐ文化の架け橋として、負の遺産であるパタレイ旧要塞監獄を月としてとらえ、隣に太陽のように光を放つ建物で月を照らします。
建物は球体を敷地に合わせて変形させ太陽を表現します。いくつもの球体の上にレイヤーを重ねて覆い、数種類のマテリアルに分けて透過率に変化を加え、エストニアの歴史の変化にも読み取れるデザインとしました。
パノラマ
機種:Dell Precision 7820
CPU:2.2 GHz Intel Xeon
メモリ:64GB
GPU:NVIDIA Quadro P5000
ソフト:3ds Max 2018
モデル制作時間:1日
データサイズ:113MB
LUMION制作時間:6日
使用エフェクト:グローバルイルミネーション レンズフレア 被写界深度 アナログカラーラボ 感光度 色補正 リアルスカイ 他
動画レンダリング時間:6時間32分
静止画レンダリング時間:10分
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講評
新しく作る建築物=太陽、旧要塞監獄=月、というとても伝わりやすいコンセプトを立てられたのに、ムービーでコンセプトが全く伝わってこないのが非常に勿体ないと感じました。伝わらない原因はとてもシンプルで、モチーフの一方である「月」が劇中に一度も出てこないことです。ビジュアルとしてしっかり伝わるコンセプト、モチーフがある場合は、特にひねる必要もなく、ベタで良いのでまずはそのモチーフが何を表しているのか提示(例えば旧要塞監獄から月、新建築物から太陽へのディゾルブ)しておけばあとは観客がそのモチーフをベースにいろいろなイマジネーションを膨らませてくれます。物語の始まりを感じる壮大なオープニングに挑まれたことは素晴らしいと思いますが、せっかくのオープニングがどんな物語の始まりなのか伝わっていないのがとても惜しいです。中盤を編集しないワンカットで一気に建築物の全貌を見せることにチャレンジされていて、これはなかなか難しいのですが、カメラワークや構図のとり方、移動のスピードなどが適切で、しっかり上手くいっていると思います。画のトーンとして全体に粒子感を出したり少しスケッチ的に加工されているのも、今回のテーマに対してはマッチした演出だと思います。一方で、建築物の内部をほとんど見ることが出来ず、通行人などの人物も配置されていないため、ここでどんな生活が生まれるのかは全く伝わって来ない印象です。