アルタンフヤグ ゾリグト、高村晃紀、日暮映吏
株式会社ハイビッグ建築図面工房
対象建築:コンドミニアム
セレベという川沿いにある場所が特徴。
青空を感じられる場所で東西に広がる雁行状に配置することにより採光を確保し、川の形状や流れに合せた滑らかな曲面形状を採込み、川や空など自然を家で感じるように設計。
また、モンゴルには何百年という歴史のあるゲルという建築方式があり、自然を愛する人が都市に暮らしながら自然を感じられるよう木材を部分的に使用。
外壁のデザインにゲルの壁を彷彿させる柄、低層部分のデザインにはゲルのトーンという天窓の形状を取入れ、大庇にゲルのパーツであるトーン、ウォ二ーを取入れた。
木は二酸化炭素を取り込むことができ、大事に長く使うと、地球温暖化の防止につながる素材。
発展途上のモンゴルではセレベ川が将来的に廃棄物などで汚染される可能性がある。
自然を愛し、守るために何処からでも青空、緑、山を感じられる事を大切にした。
私自身もモンゴル人として、自然を愛する心を忘れないようにしていきたい。
講評
堅実なコンセプトに基づいてデザインされた建築のようですが、そのコンセプトが映像に落とし込みきれていないという印象を感じてしまいます。まず、冒頭の海山川のモンタージュと、その後の建築物の一連のショットとの関連が示されていないので、導入部分の意味が伝わらないかと思います。例えばですが、0:09辺りでせっかくゲルがショット内に登場しますので、オープニング部分のラストにゲルをフィーチャーした構図?コンドミニアムのゲル由来デザインへのディゾルブ、のような組み立てにすると導入部分の意味が伝わるかと思います。導入部について言うと、音楽の使い方として、いきなり曲のサビ部分が流れるので唐突な始まりだなという印象を受けてしまいます。どちらかというと、歌なしインストの部分をオープニングに使って、歌が入るのと同時に本題の建築物のショットに入るようなことの方が効果的だとは思います。デザインコンセプトを伝えるという意味では「川の形状や流れに合わせた滑らかな曲面形状」なども、そこをしっかりクローズアップで見せないと伝わらないと思います。「都市に暮らしながら自然を感じられるよう木材を部分的に使用」というのも、木目が見える位の木材パーツのクローズアップを入れて伝えていきたいところです。全体的にライティングが固く、影が強く出すぎているのも、雰囲気を損ねていて勿体無いと感じます。曇り空にしたり、朝方か夕方の柔らかい光を使ったり、室内であれば室内に間接照明を置いたりするなどで、影やコントラストを弱くしてあげた方が高級感が伝わると思います。