グエンタンフォン、グエンティチャン、タコンキューオアン
株式会社安藤・間
対象建築:マンション
周辺には多様なデザイン性のある建物が少なく、画一的な箱形の建物が広がり、ウランバートルの光景は寂しい。
その中で、私たちは心地の良いリビング空間を目指し、同時に生き生きとしたファサードの建物を設計したいと考えた。
3層毎に1ヶ所設けた共用廊下は中廊下とし、レンタブル比を上げた。
断面的にはメゾネットを2戸組み合わせ、各戸で西と東に開口を確保した。
そのパータンと共に敷地に沿ってフラットにしたり、ランダムにしたり、特徴的でシンボリックなファサードを設けた。
3Dプリンターファサードに覆われることで、太陽光が室内に陰影をもたらし、趣のある内部空間となっている。
またファサードの効果は時間により変化していく。
夜になると、各住戸の照明がともることで、この建物単体だけでなく、街の光景にも生気を与える。
心地良いリビング空間と変化のあるファサードによる活気。
建物と環境の相乗的な関係。
それは私たちの提案したいデザイン。
講評
0:36?の、建物内部の描写においての質感、インテリアをしっかり作り込んで見せる演出は、技術レベルも高く素敵だと感じました。差し込む光の使い方もとても効果的です。ただ、落ち着いたインテリアとそこで流れる時間を表現するには、各カットの尺が短すぎるのと、カメラの移動速度が速すぎるのが残念です。カメラワークにこの2倍位時間をかけ、その分、取捨選択してカット数を半分位に減らすと、表現したい空間の落ち着きが描けると思います。どうしてもいろいろと見せたくなってしまいますが、最も効果的なショットに集中してあとを捨てる決断が、ムービーのレベルを数段上げると思います。1:03?の廊下からエクステリアに1カットでズームアウトしていく表現は、ギミックとしても効果としてもとても良いと感じました。このショットの流れについては、急がずしっかり時間をかけられているのも効果を上げています。インテリア周りでひとつちょっと気になったのが、あまりにも壁の仏様の絵の印象が強すぎて引きずられるかなというところです。中で暮らす人の生活を感じられてとても良いのですが、非常に限定されるイメージなので、もしかしたらもっと抽象的な絵を使われた方が良いのかも知れません…。エクステリアの描写についてですが、0:00からのマンション名のナメで始まるショットはオープニングとして良い機能を果たしていると思います。しかしながらその後のカットの連続について、インテリア以上にカメラワークやカットが忙しく、しっかり印象に残らず、且つ、高級感が損なわれているように思います。こういった細かい柄のファサードはディテールに高級感が宿っているのではと思いますので、あまり引きの画を多く見せると安っぽく見えてしまうかも知れません。高級感という意味では、0:22の積み木のような映像表現も、ギミックとしては面白いのですが安っぽさに繋がっていてこのケースでは適切ではないかという気がします。それから0:10の引きの全体像について、建物の形が歪んでしまっているのも気になります。レンズのチョイスと画角調整で補正出来るかと思いますので、再挑戦されることをおすすめします。