作品 |
Let's?watch?the?lost?and?know?new?things
竹中亮善 スターツCAM株式会社
対象建築:マンション
■デザイン
1.外観
モンゴル文様をベースにした。
建物を正面に見たとき中央のガラス面は馬頭琴の琴線をイメージしている。
左右の住宅部分はモンゴル文様のひとつ、ウルジーヘーを参考に4×4の四角ブロックを4個置いた形にした。
合計8×8の四角ユニットが並ぶ外観になっている。
2.共用部
2,3Fの広いスペースは気候条件にかかわらず子供が走り回るため。ゲル内部の骨組みを参考にした。
天窓もゲルの天頂をイメージしている。
3.ルール
住戸数:30 駐車数:17 建蔽率:640?<70% 容積率:5760?=480%<700%
■動画
最初のシーン:
現在のゲルで生活する人々、石炭の使用による公害などを暗喩。
ここから新しい生活に繋がるイメージ。
ラストシーン:
かつて多くの日本人が古民家にすんでいたようにゲルで生活する人は減少すると思われる。
その中でもモンゴルの人が持つ心の原風景やアイデンティティーは見失うことなく大切に持ち続けてほしいというメッセージを込めている。
機種:Windows?10(2機使いました)
CPU:intel(R)?corei(TM)?i7-6700HQ?CPU@2.60GHz(モデリング),3.60GHz(レンダリング)
メモリ:16GB(2台とも)
GPU:NIVIDIA?GEFORCE?GTX960M(モデリング),NIVIDIA?GEFORCE?GTX1070M(レンダリング。速度差は5倍くらい)
ソフト:Sketchup
制作時間:14日間程度
データサイズ:建物本体:2MB,周辺パーツ:90MB(キッチン、馬頭琴。sketchupwarehouseより採集後、編集)
制作時間:7日程度 使用エフェクト:Fade?In/out,titles,handheld?camera,vignette,Layer?Visibility,2-point?Perspective,Sun,Sky?and?Clouds,Sky?Light,Hyperlight,Reflection,shadow,sharpen,Fog,color?Correction,Exposure,Outlines,Sketch,Depth?of?Field,Chromatic?Aberrations,Advanced?Move,God?Rays,
動画レンダリング時間:1.5時間/回程度(3.60GHzで1920×1080の場合),7.5時間/回程度(2.60GHzのPCで1280×720の場合)
静止画レンダリング時間:5-10分(3.60GHzのCPUのPCの場合)
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講評
初見だとなかなか伝わらなかったのですが、解説文のコンセプトを読んでから改めてムービーを観るといろいろなギミックや工夫をされていらっしゃるのを知り、そういったものがしっかり伝わるための技術的なポイントが押さえられると更に良い作品になると思いました。まず冒頭のゲルと煙のシーンですが、スケッチ風の効果を使っていることもあり、これがノスタルジーの表現なのか現実的な問題提起なのかが読み取りづらいと感じます。次のタイトルカットですが、テロップを動かす効果によって、タイトル左右がはみ出してしまって全文が読めません。入れるなら読めないと、観る方にとって気持ち悪いので改善が必要と思います。次に建物正面のワイドショットが来ますが、解説文を読むと馬頭琴のシェイプになぞらえたデザインということですので、せっかくならここでそれが伝わるよう、(せっかく作品中に馬頭琴も登場させていらっしゃいますし)頭に馬頭琴のショットを持ってきて相似形なのが伝わるようにされた方が面白いのではと思いました。以降の建築物各パーツのモンタージュですが、こういったパターン柄のデザインは、横移動のカメラワークで撮るとデザインが生きてくるので、撮り方としては正解だと思います。ただ、カメラワークにもっと繊細さが欲しいところです。そこに丁寧さがないと、せっかくのデザインまで雑に観えてきてしまうものなので…。具体的にはまず、今の3分の1位のスロースピードでの移動が適切かと思います。現状、例えば階段なら地上階から最上階まで全部を高速上昇するカメラで捉えていますが、同じパターン柄が続くだけですので、ゆっくり2階分くらい上昇させれば後の全体像は想像できるので、そうやって大事なところを取捨選択してじっくり見せるようにするともっと効果的だと思います。(そして、その方が、観客が見ていないパーツへの想像を掻き立てられる効果も期待できます)ラスト2つのショット、馬頭琴とスノーボールについては、移動するカメラワークが効果的なのかどうか、少し疑問が沸きます。それぞれ隠喩だと思いますので、少し控えめな静止ショットの方が、やはり観る方の想像を喚起しやすいのではないでしょうか。ただ、ゲルのスノーボールをエンディングに持ってくるというのは詩的な表現ですし、効果的だと思い、私は好きです。