三ヶ島雄二
アイネスト一級建築士事務所
対象建築:マンション
「さくら」をテーマにモンゴルに日本を感じ、つながるモニュメントとして計画した。
通りに彩りを与え豊かな街並みを構成する景観のひとつとして役割を担うものである。
基準階を占める住戸は2枚の葉を広げた平面形状を成し一葉で住戸を1戸、1フロアー2戸(290㎡/戸)とした14層、全28戸で構成され、ゆとりのある空間は富裕層を対象とし満足させられるものであると思う。
大きく緩やかな曲面を持つ外観は躍動的であり個性的なデザインとなって表れている。
1、2階には温泉浴場、スポーツジム、ラウンジ等を備えレセプションを介して居住者以外の人にも開放し地域交流の場としての機能も併せ持たせた。
地階には各住居用の大型ストレイジが備わり十分な収納場所が確保されている。
また駐車場は防犯性に優れたタワー型を採用し同敷地内に60台分が収容可能である。
これからの経済発展と共に豊かで健康的な時間が過ごせる場所であると提案したい。
講評
「「さくら」をテーマにモンゴルに日本を感じ、つながるモニュメント」ということですが、どういったところに「さくら」を感じさせようとされているのでしょうか?残念ながらムービーを拝見しただけではそこを解読することが出来ませんでした。まず、モニュメントとしての役割がデザイン意図の重要な部分であれば、しっかりと全体像が見られるショットが必要だと思います。冒頭のショットではマンションの上部がフレームに入っておらず全体像が見られませんし、雪の中という状況の印象が強く、モニュメントとしての存在感は感じられません。1:12になってようやく全体像が見られる広いショットが登場しますが、このアングルも、デザインのどんな側面にアテンションを当てたいのかが分からない、ちょっと中途半端な構図という印象です。何より、モニュメントとして提示したいという意図があるのでしたら、その街に住む人間の目線での建築物全体像のショットが必要だと思います。0:14?1:01のモンタージュは、建築内部の各所を切り取って見せるという意味では適切な構図、編集だと思います。ただ、ショットひとつひとつがかなり短いので、こういった場合、各ショットを少しでも長く見せるという意味で、ディゾルブよりも普通にカットつなぎにしていった方が、テンポを良くする意味でもベターではないかと思います。こういうシーンでは人々の配置がとても大事ですが、どういう人物をどういう服装で、どういうシチュエーションで配置するかということについて、なかなか良い演出をされていると感じました。その他の小物などの選び方も伝わりやすく良いのではと思ったのですが、ひとつ、ボディービルの男性の写真がどういう意図で掲示されているのかは理解できませんでした。演出的にはどんな絵画が飾られているかは結構重要だと思うのですが、ここではかなり、あの写真が強くて意識が持っていかれる感じがします。音楽の使い方ですが、冒頭で「イントロダクション」というセクション分けをはっきりつけて、本篇部分から違う音楽が始まる、という構成の意図はとても良いと思います。ただ、2つの音楽の音色がかなり違うこと、オープニングが本篇に対して果たしている効果が少し、読み取りづらい感じはしました。音楽のエンディングがきっちり作品と合わせてあるのも、良いと思います。