第3回ルミオンコンペティション作品投票

作品詳細

作品

Live Underground

間田央、川崎正憲
大成建設株式会社

対象建築:戸建て

居住空間を地下に埋めることで冬暖かく夏涼しい地下の恒温性を利用し、ウランバートルの厳しい冬の寒さを克服する快適な住環境を創り出す。

それぞれの住宅は地下へ穿たれた中庭と地表面に設けた大きなトップライトのある2層吹抜けのリビングスペースを持っており、冬季は地上に比べて暖かな地下の温熱環境に加えて、この2つの竪穴を介して太陽光を地下の居住空間に余すところなく取り入れる。
夏季はエレベータシャフトを利用した重力換気によって心地よい風が通り抜ける。
個室や水廻りなどの部屋やブリッジなどの動線を、2つの竪穴に面して立体的に配置することで、自然の恩恵を享受できるようにすると共に、お互いのプライバシーを確保しながらも、気配を感じ取ることができる住宅とした。

地上には駐車場と地下に至るエレベータだけが見える。
緑豊かな公園のようなスペースとなり、ここに住む10軒のコミュニティ醸成の場となることを期待している。

  • 戸建て
  • 戸建て

機種:Fujitsu CELSIUS R970
CPU:Intel Xenon
E5-1650 v3
メモリ:64GB
GPU:Quadro K5200
ソフト:FormZ、3dsmax
データサイズ:10mb
制作時間:モデリング、レンダリング、編集トータルで1週間
使用エフェクト:SkyLightエフェクトなど
動画レンダリング時間:6時間
静止画レンダリング時間:40秒

講評

強く特徴のあるコンセプトをダイレクトに伝えるという意味で、とても効果的なオープニングと思います。気温グラフから始まるのも、短い秒数で意図が伝わっています。その後の展開も、この建築物の構造や意図を伝えるための俯瞰、人物の視線レベルのコンビネーションが適切と思いました。ただ、屋外を歩いている人たちも結構快適そうに表現されているので、もしかしたらもっと、外と内の温度、快適度の差が画として伝わった方が目的としては良いのかな…という気はしました。それからもっと気になってしまったのは、地下の家で暮らす人々の気持ちの部分です。ムービーを見る限り、上を歩く人から生活が丸見え、常に見下されている感覚になりそうな印象を持ってしまったのですが…。「お互いのプライバシーを確保しながら」という解説がございますのでそこは配慮されているのだと思いますが、映像としてそれが伝わることが、結構、この構造物のプレゼントしては必須なのではと感じました。例えばですが、地上を歩いている人の視点のショットと、同時に地下の屋内で過ごす人の視点のショット、などでしょうか。最後に、音楽のチョイスですが、ここが住空間ということを踏まえると、ちょっと産業ムービー寄り過ぎる曲調のように思います。落ち着いた日々の暮らしをイメージしてもらうには、リズムやテンポはこういったことでもいいかも知れませんが、もしかしたらもっと柔らかい音色の曲を選ばれた方が効果的かも知れません。