Urban?Oasis
渋谷篤、池田裕紀 株式会社日建ハウジングシステム
対象建築:コンドミニアム
近年急速に人口増加しているウランバートル市において、質・量共に住宅供給量の不足と建設関連産業の整備不足と都市部における建設熟練工不足が課題である。
また都市環境の悪化に加え、緑被率増加に対応するための森林資源保全とその活用も課題である。
このコンドミニアムはパーツ(PC)化された「RC梁柱」・「RC+木のハイブリット床」で構成された、熟練工が不足するなかで高品質かつ都市の至る所で建設可能な「集合住宅構築システム」の提案である。
住宅内外の間に中間領域を設けた平面計画により夏暑く冬寒い地域の気候に対応。
同時に建築物緑化と室内外に木材を多く活用し、緑に覆われた快適で潤いある住空間を生み出した。
「Urban?Oasis」と名付けたこの建物が都市に増加することにより、平面的、立体的に緑のネットワーク化を促し、気候と風土に適応しながら、国と市が抱える住宅・建設・環境の都市課題解決に寄与させることを意図した。
機種:ALIENWARE
CPU:??インテルR?Core??i7-7820HK
メモリ:16GB?DDR4?at?2666MHz
GPU:NVIDIAR?GeForceR?GTX?1080?8GB
ソフト:3dsmax
制作時間:3日
データサイズ:269MB
制作時間:24時間 使用エフェクト:太陽/シャドー/反射/スカイライト/ハイパーライト/二点透視/被写界深度/レンズフレア/色の収差/集団移動/移動/空と雲/霧/風/エフェクトのアウトライン/色補正/ビネット/シャープにする/光拡散/ブリーチ/
動画レンダリング時間:20時間
静止画レンダリング時間:3分
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講評
昨年からのLUMIONコンペでは主催者側から実在の空間をお題として出されての建築デザイン、そしてそれをプレゼンするためのムービーの作成ということで、それが実現性のある建築デザインとしての評価を目指すべきなのか、ムービーの面白さを目指すべきなのか、両立が容易ではないということも含めてコンペとしての大きな課題になっていることを感じています。そして、本作品には未解決のその課題が典型的に示されているように感じます。「熟練工が不足するなかで高品質かつ都市の至る所で建設可能な「集合住宅構築システム」の提案」というテーマ/コンセプトは、提示されたお題に対しての建築デザインとしての回答としては恐らく非常に実現性の高い、レベルの高い回答なのだと思いますが、映像として表現するのにはかなり不向きなテーマですよね。私がそのテーマでムービーを作れと言われても頭を捻ると思いますし、解決法としてはモンゴルに出向いて建設従事者の方々のインタビューを撮影して織り込むようなことしかないような気がします。その為だと思いますが、本作品、映像の表現技術的にはいろいろとレベルの高いことを試みているにも関わらず、全体としては残念ながら、あまり面白みの感じられないものになってしまっている印象です…。良いところはたくさん、あると思います。冒頭、街の広い俯瞰ショットに環境音だけというのは、その場に居る感覚にさせてくれて有効だと思いますし、そこから一転して記号的なアプローチで建築物パートへ導入するやり方も効果的、かつスタイリッシュです。時折挟まれる、真俯瞰のショットも効果的です。ひとつ、エンディングについての質問として、ラストショットに作品のコンドミニアムが映っていないショットを選ばれたのはどういう意図なのでしょうか?余韻を感じればよいのか、期待感を持てばよいのか、受け手がどういう心境でこのムービーを観終わることを想定されているのかがちょっと分かりませんでした。