斜面地の森の中に佇む、回廊のようなコミュニティホール。ひとつながりの回遊性のあるボリュームを、敷地の斜面に合わせて配置し、そのなかに高低差を利用して図書館、カフェ、ワークスペースの各機能を分けて配置する。躯体は熱容量と耐久性が高く、熱帯地方の暑く厳しい気候に適するコンクリート造とし、壁には上に向かって絞られていく形状の開口を設け、内部空間に足元から適度な光を取り込む。開口部には地面から生えたような放射状のスリットを重ね合わせ、幕のように光を拡散させる。
木々や地形など敷地の自然環境へのインパクトは最小限に抑え、その自然と一体となりながら、木漏れ日のような光が降り注ぐ空間で時間を過ごすことが出来る建築を目指した。
講評
カメラワークが過多にならないよう抑制を心がけられていらっしゃるのは感じますが、まだまだ我慢が出来ずに動かすべきでないところでカメラを動かしてしまっているのを感じます。全体を通して「動的」にするのか「静的」を目指すのかをご自身の演出意図としてはっきり持ったら、どちらかに徹することが統一感のある、観客がどう見れば良いか自信を持ちやすい作品になります。0:28までは必要な分だけの抑制が効いたとてもいいカメラワークですが、0:29?や0:40以降のカットはどれも、カメラの動きが速すぎて、最初に感じられたスタティックな良さをそこなっていると思います。結果として、テーマや目指す雰囲気が伝わりづらくなっているのが勿体無いです。