第3回ルミオンコンペティション作品投票

作品詳細

作品

コミュニティーホール

森の中でゆらゆらしている光に包まれて、読書、談話、仕事をする。元々の風貌を活かすために、いくつかの樹木は建物の中に入り込み、天井から突き出るような設計とする。全ての空間は樹を中心に散らされると同時に、樹を囲むような空間となっている。屋内、屋外、半屋外空間を等価に考え、そこにある空間を自由に解釈し、想像し、様々な可能性と関係性を生み出すことができる。また、透明度で建物の存在感を弱め、視野をできる限り広がり、内部空間と外部の自然空間を貫通させる。風の音、雨の音、鳥の音を聞きながら、一日中の自然の変化を感じる。大小様々な樹木と草花、視線よりも低い活動の場、高い活動の場、屋内と屋外、自然と人工、様々なスケールや形状の空間が重なり敷地全体に広がり、ひとつの大きな景色を作り出す。この景色が人々の思考と行動の中で、さらに拡張され、自由な交流空間となっていて、無限の想像を生み出す新しい環境である。

  • コミュニティーホール
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講評

音楽の拍と編集点をしっかり合わせられていて、またディゾルブも効果的な箇所でさりげなく使われていて、とても良い編集だと思います。また、舞踏会のような回るカメラアングルと、その動きを引き立たせるクラシック系のピアノ曲も、この建築物の構造をベストな形で見せられるチョイスだと感じます。オープニングを鳥の声と空気感の音だけで始める余韻の持たせ方も非常に効果的です。それに対してエンディング部分は、本当なら1:23のところの「チャーン」に合わせて最後の真俯瞰のカットに行くべきところを引っ張ってしまって音楽とそこだけ合っておらず、非常に勿体無いと感じました。真俯瞰のショットもこの建築デザインを見せるのにとてもいいショットなので、1:23から数秒しっかり引っ張っても全然良かったと思います。あとは、更に欲を言うならば、せっかく「建築デザインにダンスを躍らせる」ことに成功しているので、もっと大胆なクローズアップのショットがいくつか入り、サイズにバリエーションが出ると、より躍動感が出たかもしれないと思います。また、人物や小道具などのクローズアップを挟むことで、建築デザインだけでなく、そこで過ごすであろう人たちの躍動感にもイマジネーションが膨らむようになれるかと思います。全体として、まとまり、構成、芸術性など、レベルの高い作品と感じました。