現代の多くの建築構造は鉄筋コンクリート造・レンガ壁・そしてアルミ窓とどれも高価なものばかりである。この提案はカンボジアで調達可能であり、且つメンテナンスも容易なシステムの提案である。安価で丈夫な竹を利用し、トラス状に組み上げ接合させる。ユニット化した竹柱は建築の足場となり、どんなスケールにも対応可能である。次に屋根とスラブ。屋根は竹を束ねて縛り〝撓み″の性質を利用し地中から曲げながら架け、スラブは屋根の引っ張り力を利用し吊構造とする。また、これらを安定させるためにも竹柱が支えとなる。素材の性質状定期的な交換が必要となるが、単体素材の集合体のため、少しずつの修復が可能となる。これらシステムを応用すればフレキシブルな用途規模変更が可能であり、1つの特別な風景を作り出すことが出来るであろう。今回の映像では冒頭ハリウッド映画のような表現で竹の持つ可能性と力強さを表現した。
講評
非常に数少ない、物語性とエンターテインメント性にチャレンジされた意欲作で、楽しませて頂きました。全体に、テロップの読みやすさや見せる秒数にもちゃんと気を使っていらして、見やすさもあると感じます。一方で、こういったシャレをやる時ほど、ディテールがきっちりしていればしているだけより面白いので細部を更にリファインされるとより笑えるかなと感じます。まず大前提として、テーマである「材料が竹」ということについてはテロップ(しかも英語)のみで、ビジュアルでそれを伝えているカットがないのがムービーとしては片手落ちではと感じます。冒頭がちょっと引っ張りすぎて惜しいところで退屈になりがちなので、そこを削って真面目なことを言うパートを入れ込まれると、おもしろパートがより引き立つのではと思いました。しかしながらテンポも良くて、私は好きです。