選択テーマはコミュニティーホールです。
用途は図書館・カフェレストラン・ワークスペース・ラウンジ・ギャラリー・広場です。
風と視線が通り抜けるような開放感ある設計を目指しました。
配置は表参道向きにコの字が開くようにし人の流れを受け止めます。
高低差があり、汚れの原因となる土の敷地は図書館との相性が悪いのでデッキを3つのレベル差をつけて配置し、2階建てですが全体の単調さを無くしました。
外を意識し内外を緩やかに繋ぐことで人の流れと滞留がスムーズになります。
映像のポイントは設計コンセプトでもある「風」の可視化です。
全体として風と光を意識させるエフェクトをかけています。
また全体のストーリーは図書館と人で賑わうコミュニティホールを最初に理解してもらってから建物全体、そして詳細を見せ、時間性を示すように陽が落ちるシーンで終わらせました。
講評
構成や構図、編集にそれぞれしっかり意図と計画があることを感じられるムービーと思います。浅い被写界深度、抑えめのカメラワーク、カット編集かごく短いディゾルブという繋ぎ方なども、ムービーを格好良く見せる技術を身に着けていらっしゃる印象です。個人的には0:07のごく浅い深度で雑誌を読む女性の背中を見せているショットがとても好きです。Lumionコンペではなかなか、こういった「思い切って雰囲気を作ることだけに特化したショット」が見られないので…。それから、音楽のチョイスも良いと思います。そして、解説文を拝見すると「風」の可視化に挑戦されたということですが、残念ながら率直に申し上げますと、それには成功していない印象です。Lumionでチャレンジするには不向きなテーマですので仕方ないと思いますが…。配置されているスモークもあまり流れている感じがないですし、樹々や人々の髪なども動いていません。高レベルのCGを使わず風を表現するとしたら、いっそ実写でそよぐ樹々のカットなどを時折挟むなり、はためく旗だったり流れる雲だったりの、インサートを活用するなどが考えられる方法でしょうか。