自然光の中で時の移ろいを楽しむヴィラ。
太陽光パネル、ガラス、パンチングメタル、金属、モルタルによるマテリアルの「透過性」「反射性」「吸収性」、それらと自然光とを組み合わせることにより、ヴィラの穏やかな空間に多様な色彩と光が注ぎ込まれる、非日常な空間を演出します。
ヴィラは壁の少ない開放的な室内とすることで雨天時の湿気をそのまま外へと流します。また、ヴィラ内外が連続しているため天気、気温の繊細な変化を五感で感じとりやすくなっています。
ヴィラは自然の魅力を引き出すスクリーンとしての存在であるため、水回り以外には家具を配置せず自然光による変化を捉えやすくしています。
ヴィラをつくることによって、どの場所にでもある自然光が今しか訪れない特別なひとときを生み出し宿泊者をもてなします。
講評
各カットにどういう役割を持たせるか、そしてそれを次のカットにどう引き継ぐか、前のカットからどう受け継ぐかということへの意識が不足していて、ただ複数のカットを並べただけになってしまっていること、また、それぞれのカットが何を見せようとしているか不明瞭なことが問題です。ひとつのカットに複数の役割を担わせようとすると、こういうことになりがちです。ひとつ具体的な例を挙げれば、ひとつのカットにガラス天井からの光と影の面白さを見せるという役割を担わせるなら、0:50?のカットのようにFIXカメラで充分、カメラを動かすとしても真っ直ぐゆっくりの動きが適切で、そこで欲張ってカメラに右折左折のような動きをさせて別なものも見せようとしたりすると、ショットの意図がぼけてしまうということです。そして、ひとつのコンセプトに基いてひとつの建築物を見せている訳ですから、カット同士は単純にカット編集で繋いで違和感はないはずで、そこで意味なく逐一黒にフェード、黒からフェードインをしていることでテンポが非常に悪くなりますし、見せられる情報も少なくなり、観るものにストレスを与えています。この作品、フェードイン・アウトをカット編集に変えるだけでも格段に見やすくなると思います。それから音についですが、開放的な部屋、天気や気温の繊細な変化を五感で感じるというテーマがあるのですから、音楽よりももっと環境音を使われてはと思います。(今は格安だったり無料だったりの効果音がネット上に沢山ありますし)音の使い方と、ムービー中に生活感のある小物や人物がほとんど出てこないことで、無機質な印象を与えてしまっているかと思います。一箇所、1:07前後の湯気の立つ浴槽が、少しでも人間味を感じさせているかと思いますので、人間を出さないにしてもこういった生活感を感じさせるアイテムをもっと入れ込まれてはと思いました。