赤道直下の熱帯地域に降り注ぐ強い日差しを、レンダリングソフトであるルミオンを活用していかに美しくフィルタリングして表現できるかを考えました。建物は鉄骨のシンプルな構造体に、暖色系の3色の色ガラスをランダムに配置したレイヤーが重なった屋根が、建物と広場全体に架かった建物です。半外部の広場では、ガラスを透過した情熱的な色の光が降り注ぎ、内部空間では、ガラス屋根の下に、半透明の膜のような素材で天井を張り、さらに調節された室内環境に適した光が降り注ぎます。時間とともに変化する日光が、ランダムなガラスのレイヤーを通過することで、その下に二度と繰り返されることのない光環境が生まれ、その中で時間の移ろいを感じながら過ごすことのできるコミュニティーホールを設計しました。また構造体はアングル材を組み合せた十字柱を、二重梁で挟みこむことで完成する、シンプルで施工性に優れたものとすることを考えました。
講評
色ガラスによるカラフルな模様からムービーを始めて建築物の具体へ、という構成は、頭で興味を引いて良いと思いますし、視覚的にも掴みはOKですね。ただ、建築物の全体像がはっきり見られるカットが無いのが見ていてちょっとストレスに繋がります。これはひとつには、オーバー露光のフィルタを過剰に掛けているのが原因のひとつかと思います。特にYoutube等にアップして観られることが前提の場合、ご自身が作業で観ている状態よりコントラストがかなり大雑把に圧縮されるので、極端なフィルタの掛け方には注意が必要です。それから、Lumionの特性としてカメラ移動の初めと終わりに、加速・減速ののりしろが1秒弱ありますが、そこはカットして使わないと逐一テンポが妨げられてしまっていますので、編集ソフトで間引くと良いかと思います。